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言えない言葉が必要な言葉だなんて。
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辛い日々を忘れられなくても
新しい日々が楽しい記憶で埋められていくならば

それは、嬉しいことなのだろう。

私は大丈夫でしょう?
それは、事実として残しておきたいの。

記憶を無くしても消えない事って、あるのかもしれない。
それは、良い事なのか?
それとも・・・。

でも大丈夫。
きっと。

手首を傷つけた思い出は
いつまでも消えないだろうから。
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後ろから迫る足音。
カチャリ、という金属音。

あぁ何だって俺はこんな状況に追い込まれているのだろう。

それでも今は逃げる以外に方法は無く、ただ走る。

薄暗い路地を曲がると・・・先は行き止まり。
これで俺もジ・エンド。
もう走るのもいい加減疲れてしまった。

覚悟を決め行き止まりの壁に背をつけくるりと向き直る。

目の前には・・・よく知った男。

「好きなようにしろよ」
俺がそう吐き捨てるとそいつは含んだ笑いで呟いた。
「これで、ゲームオーバー?」

人を試しているような笑い方が気に食わない。
まぁ、実際こいつは俺を試しているのだろうけれど。

「あぁ、ゲームオーバーだ。俺の負けだ。」
「嘘つき」
「嘘じゃないさ。俺は負けたんだ。」

俺の言葉にそいつは眉を顰めてこう言った。

「アンタはそんな奴じゃないね。そうやって、今まで人を騙してきたんだろ?」

カチャ、という音がしてそいつは持っている銃口を俺に当てこう言った。
「俺はアンタを許さない。殺さない。もっと、この世界での苦しみを味わえばいい。生きることの苦しみを。」
絶望に満ちたそいつの瞳は、もはや何も映してはいなかった。

「今度のゲームは、いつにしようか?」
そいつはそう言うと銃をしまって俺に背を向けた。

「・・・・もう、お前の勝ちは決まりだろ?」
そいつの背に向けて発せられた俺の言葉に少しだけ反応して
「さぁ、どうでしょう?」
にこり、と悲しみの笑顔を俺に向けた。

そいつが去り際に言った言葉は、風の音に掻き消されて俺の耳には届かなかった。


「生きていれば、どうにかなると思うのがオカシイのかな。」

「俺、そろそろ行かなくちゃ。」

すっと立ち上がったそいつは俺の目をしっかりと見てそう言った。

「・・・どこに、行くんだよ。」
「・・・どこに行こうかな。」
にいっと笑って、まるで最高の悪戯を思いついたガキみたいに、そいつは笑った。

「当ての無い旅がしたいなぁって、思ったの。」
わかる?と小首を傾げて俺に尋ねたそいつは初めて俺が見た子供のままのそいつだった。

「・・・わかるよ。」
俺がそういうと「兄ィならそう言ってくれると思った」なんて笑うから。

ちくしょう、成長したな、お前は。
いつの間にか身長なんて俺をとっくに越して。

「だから、またね。」

最後まで、言葉に気を使うのもお前らしくて。
あぁ、お前といた日々は楽しかったよ。

「またな。」
俺がそういうと少しだけお前の瞳が揺れて、てめぇ、自分から言い出したクセに先に泣くんじゃねぇよ。

「・・・兄ィだって、泣きそうなクセに。」
俺の考えてることが分かったのか、そいつはいつもの生意気な口をきいた。

「ん、じゃね、兄ィ。」
「どうせお前のことだからまたどっかで会うだろ。」
「ちょっと何それ!もう少し別れを惜しんでくれたっていいじゃん!」

そんな他愛の無い会話をして
あいつはドアを開けた。

そこからは光が射し込み、気持ち良い春の風が吹き込んできた。

さぁ、俺も当ての無い旅にでも出ようかな。

午前4時の部屋で鳴らした音楽はどこか儚げですぐに消えてしまった。

まだ夜明け前の部屋は少し寒くて、でも暖房をつけるのは勿体無くて。
ひとつ溜息を落とせばそれは音楽と共に消えていった。

あと1時間半もすれば外は少し明るくなって私は部屋の中の明かりを消すだろう。

それまで、何をしようかな。

時間はいくらあっても足りないから。
こうしてゆっくり考えてみるの。

さぁ、今日が始まる。


ただ、おめでとうって言葉とありがとうって言葉を伝えたい。

好きだよ。ありがとう。感謝してます。

私に生きる勇気をくれた貴方達だから。

これからも、よろしくお願いしますね?

ただ、今日という日に感謝。

貴方達に心からの感謝を込めて。

おめでとう。



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