Link by RainDrop & Frank sozai
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言えない言葉が必要な言葉だなんて。
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後ろから迫る足音。
カチャリ、という金属音。
あぁ何だって俺はこんな状況に追い込まれているのだろう。
それでも今は逃げる以外に方法は無く、ただ走る。
薄暗い路地を曲がると・・・先は行き止まり。
これで俺もジ・エンド。
もう走るのもいい加減疲れてしまった。
覚悟を決め行き止まりの壁に背をつけくるりと向き直る。
目の前には・・・よく知った男。
「好きなようにしろよ」
俺がそう吐き捨てるとそいつは含んだ笑いで呟いた。
「これで、ゲームオーバー?」
人を試しているような笑い方が気に食わない。
まぁ、実際こいつは俺を試しているのだろうけれど。
「あぁ、ゲームオーバーだ。俺の負けだ。」
「嘘つき」
「嘘じゃないさ。俺は負けたんだ。」
俺の言葉にそいつは眉を顰めてこう言った。
「アンタはそんな奴じゃないね。そうやって、今まで人を騙してきたんだろ?」
カチャ、という音がしてそいつは持っている銃口を俺に当てこう言った。
「俺はアンタを許さない。殺さない。もっと、この世界での苦しみを味わえばいい。生きることの苦しみを。」
絶望に満ちたそいつの瞳は、もはや何も映してはいなかった。
「今度のゲームは、いつにしようか?」
そいつはそう言うと銃をしまって俺に背を向けた。
「・・・・もう、お前の勝ちは決まりだろ?」
そいつの背に向けて発せられた俺の言葉に少しだけ反応して
「さぁ、どうでしょう?」
にこり、と悲しみの笑顔を俺に向けた。
そいつが去り際に言った言葉は、風の音に掻き消されて俺の耳には届かなかった。
「生きていれば、どうにかなると思うのがオカシイのかな。」
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設定は特にありません。←
正義が悪になる瞬間が書きたかったのかもしれない。
でもイマイチ何が書きたかったのか自分でもわからない。ふむ。
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