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言えない言葉が必要な言葉だなんて。
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「俺、そろそろ行かなくちゃ。」

すっと立ち上がったそいつは俺の目をしっかりと見てそう言った。

「・・・どこに、行くんだよ。」
「・・・どこに行こうかな。」
にいっと笑って、まるで最高の悪戯を思いついたガキみたいに、そいつは笑った。

「当ての無い旅がしたいなぁって、思ったの。」
わかる?と小首を傾げて俺に尋ねたそいつは初めて俺が見た子供のままのそいつだった。

「・・・わかるよ。」
俺がそういうと「兄ィならそう言ってくれると思った」なんて笑うから。

ちくしょう、成長したな、お前は。
いつの間にか身長なんて俺をとっくに越して。

「だから、またね。」

最後まで、言葉に気を使うのもお前らしくて。
あぁ、お前といた日々は楽しかったよ。

「またな。」
俺がそういうと少しだけお前の瞳が揺れて、てめぇ、自分から言い出したクセに先に泣くんじゃねぇよ。

「・・・兄ィだって、泣きそうなクセに。」
俺の考えてることが分かったのか、そいつはいつもの生意気な口をきいた。

「ん、じゃね、兄ィ。」
「どうせお前のことだからまたどっかで会うだろ。」
「ちょっと何それ!もう少し別れを惜しんでくれたっていいじゃん!」

そんな他愛の無い会話をして
あいつはドアを開けた。

そこからは光が射し込み、気持ち良い春の風が吹き込んできた。

さぁ、俺も当ての無い旅にでも出ようかな。


 



――――――――――――――――――――
リズム隊。
何となく卒業記念。
ぱられるぱられる。
あー、卒業式は泣けなかった。笑
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無題
いいね、なんか、いいね。
ヴィヴィ URL 2008/03/14(Fri)21:36:59 編集
無題
有難うございます!

よろしければ、お暇な時などこれからもお越し下さい。
波奏 URL 2008/03/14(Fri)21:45:24 編集
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