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言えない言葉が必要な言葉だなんて。
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お前が、俺の言葉を信じられないならば

俺はどうやってこの感情を伝えればいいのか。


手を伸ばせば届くのに。
触れられるのに。

どうして、どうして伝わらない。



矛盾ばっかだ、なんて、いつかお前が言った言葉。

そうだよ、この世界は矛盾だらけだ。
知ってるだろう?俺だって、お前の事、矛盾してると思ってんだよ。
お前が俺をそう思うように。



心からの感情は、受け入れがたいようだ。
特に俺たちには。


真実を述べても信じてもらえる訳じゃない

そう言ったのは、俺だったか、お前だったか。



笑顔、なんて、もういいから。
思いっきり怒れよ、思いっきり泣けよ。

一度俺の前でお前の中の何かを壊してくれよ。


そうしないと、俺達、前には進めない。





(進む必要は全く無い。俺がそうしたいだけ)






きっともう、前にも後ろにも進めない。


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例えば、本当に神様が存在するとして。
神様はどんな事でも叶えられるのだろうか。

俺とアンタの決して短くは無い付き合いの中で育んだ関係を壊すことも出来るのだろうか。


それを誰一人と望んでいなかったとしても。


別に不満がある訳じゃない。
だからこそ、怖い。


アンタの事が嫌いな訳でもない。
むしろ好きといっていい。
人間愛、っていうの?
これって恋愛感情の「スキ」って気持ちより深いんじゃないかと思う。
だったら俺はアンタの事を愛してるってことになる。(言葉にすると若干気持ち悪いが)


いつか離れる時が来ても
その時は笑って手を放したい。

お互いが今まで求めていたお互いの手を
すっと綺麗に、笑って離したい。


こんだけ一緒にいるのに、飽きないんだ。
だから、だから離れる時がより怖い。


アンタはもう十分一人で立てる人間に成長したよね。

ねぇ、俺はいつになったらアンタの手を借りずに立てるだろう。
情けない?どうとでも言えばいい。
まだ必死にアンタの手にしがみつく俺だって紛れも無い俺なんだって、そう、開き直れるほどに
俺はアンタとの時間を誇りに思ってんだから。


まだ日が射す前の暗い部屋で

ゆっくり私は動き出す。



隣にいる彼を起こさないのは、優しさなんかじゃない。

目覚めた時に、隣に私がいないっていう事で寂しがればいい。

そんな少しの、独占欲。

・・・・少しの?



まぁ、そんな事で彼を引き止めておける訳じゃ無い。

だからこそ、するのだけれど。



綺麗に微笑んでから部屋を出る。

この空気が好き。

部屋を出れば私達は完全にシラナイヒト。

そういうオン・オフって、大事でしょう?



冷めてる訳じゃないのよ。

ちゃんと彼の事を愛してるって言えるわ、今は。

ただ、自分を全て曝け出すのが怖いだけ。

彼に全て知られるのが嫌なだけ。



さぁ、明るくなる前に彼を忘れよう。

シラナイヒトになって外に出よう。



最後に綺麗に彼に微笑んで、私は部屋を出た。




あ、うさぎがいる。


店を出ていきなり言った彼の言葉に疑問を感じて俺は振り返った。
すると彼は空を見上げていた。


・・・・・・うさぎ?





「ねぇほらうさぎがいるー」


いつもより舌足らずな感じで喋る彼。

今日は珍しいもので、下戸な彼が自分から酒を頼んだ。
まぁ、大した量は飲んでいないが完全にほろ酔い加減らしい。

とろん、とした瞳で空を見ながらなおも彼は「うさぎ」と言っていた。




「うさぎ?どこに?」
こいつ大丈夫なんだろうか、いや、まさか自分から酒を飲むなんてその事自体オカシイのだが。
そんな事を考えながら俺は相槌を打つ。


あそこ。と彼が指差したのは空にぽっかりと浮かんだ月。
今は冬なので空気が澄んでいて月も綺麗に見えた。


「ほら、うさぎがいるようにみえない?」

にこにこと彼が俺にきいてくる。
いや、すごく、すごく賛同したいのだが。

「・・・・・どこら辺が?」
「えー、なんだよー何で見えないのー?」

ほら、ここが耳でしょー。
んでここが足でー。


変わらず舌足らずに喋る彼。
すると今までとは違うトーンでぽつりと呟いた。


「・・・・つきっておいしいもんあるのかな・・・」


何だそれ。お前の頭の中は食いモンの事しか頭にねぇのかよ。
そんなツッコミをかましてやりたいような発言だが生憎そんな言葉とは裏腹にぽつりと呟く彼の横顔があまりにも儚くて、それはそれは、もう。


本当に月にでも行ってしまいそうな感じだったから。





「お前は月に行っちゃ駄目なんだよ。」
「え?」


月を恋しがる兎のような彼に言う。


「お前は、まだやる事たくさんあるだろ?」
「・・・。」
「まだ月に行っちゃ駄目だ。」
「・・・・うん。」




安心したように笑う彼に、俺も一安心。
さぁ帰ろう、とまた歩き出した彼について行く。



最後にこっそり、月を見上げて。

どうか彼の不安を綺麗に流してやってくれ、と月の兎に願った。

 


当たり前の事を言おう


愛する事は美しい。(だがリスクが大きい)

信じる事は清きこと。(自分不信だとしても)

嫌うだなんて悲しい。(しかしそれで世界は救われる)

怨みなんて持つべきではない。(頭では分かる)

優しさを分けなさい。(どうやって?)

人の心を理解しなさい。(自分の心も分からないけれど)

善悪を判断しなさい。(判断した上で悪を選ぶ)

素直になりなさい。(自分の意思など関係無く?)

裏切りなんてしてはいけない。(裏切るつもりは、なかったの)

弱いものいじめはするな。(強い者を、いじめたい)

笑顔を絶やさずにいなさい。(仮面の下は涙でべちょべちょ)

欲望を抑えなさい。(いつか、爆発するかも)




皆さん、分かりましたか?




はい、先生。
結局幸せな生き方なんてこの世には無いのですね。




Link by RainDrop & Frank sozai
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